お子さんの嘔吐や下痢は、ウイルスや細菌による胃腸炎で最もよく見られる症状です。多くの場合は、数日から1週間ほどで改善します。嘔吐や下痢は体が異物やウイルスを排出しようとする自然な反応であり、症状の強さが必ずしも重症度を示すわけではありません。


家庭での対応の基本は、脱水を防ぐことです。

• 嘔吐や下痢で体から水分や塩分が失われやすいため、少量ずつでもこまめに水分やお茶、経口補水液を与えてください。
• 食欲がある場合は、消化にやさしいものから少しずつ食べさせましょう。
• 嘔吐が続く場合は無理に食べさせず、水分補給を優先します。
• 室内は快適な温度に保ち、清潔を心がけてください。

受診が必要な目安は以下の通りです。

• 水分がほとんどとれず、ぐったりしている
• 目のくぼみや口の乾き、尿が少ないなど脱水の兆候がある
• 血便や激しい腹痛を伴う
• 高熱が続く、または急に上がる
• 嘔吐や下痢に加えて意識がもうろう、けいれんがある
• 生後6か月未満で症状がある

多くの嘔吐・下痢は自然に回復しますが、脱水や重症化のリスクもあるため、様子を見ながら必要に応じて早めに医療機関を受診してください。 手洗いや食器の消毒、排泄物の処理など、感染拡大防止の基本も大切です。