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狂犬病（Rabies）
トラベルクリニック
概要
病原体
狂犬病ウイルス（リッサウイルス属）。発症すればほぼ致死です。
感染経路
主に感染動物（犬・コウモリ等）に咬まれる／引っ掻かれることで、唾液からウイルスが侵入。
日本国内の発生状況
国内動物での流行はなく、1950年代以降ヒト・家畜とも国内発生なし。ただし海外曝露後の輸入症例は時折発生。
海外ハイリスク地域
アジア・アフリカの多くの国。流行国へ行く長期滞在者・動物接触が想定される旅行者は要注意。
ハイリスク行動と良好様式
野犬・サル・コウモリ等に近づかない／触らない。
咬傷時は直ちに石けんと流水で創洗浄し、ただちに医療機関でPEP（ワクチン＋必要時RIG）。
症状と治療
潜伏期の後、発熱・疼痛、**神経症状（恐水、興奮、麻痺）**へ進行。発症後の有効治療はありません。PEPが生死を分けます。
予後
発症後は致死率ほぼ100%。だからこそ曝露後即時対応と事前接種（PrEP）が重要。
ワクチン
事前接種（PrEP）は2回（0・7日）に短縮され、約3年間の保護。その後は抗体価確認（日本国内では検査不可）やブースターで維持。曝露後（PEP）は創洗浄＋ワクチン複数回＋必要時RIGでほぼ100%予防が可能。
受診・接種スケジュールのご相談
- 渡航予定・滞在地域・活動内容（農村滞在、動物接触、医療行為の予定など）で必要ワクチンが変わります。
- 既往歴・接種歴の確認と、出発までの日数に応じた計画が重要です（例：A型肝炎は2回目を6か月後、JEは最終接種を出発1週間以上前に）。
- 慢性疾患、妊娠、免疫不全、服薬中の方は個別評価が必要です。
