概要

病原体
A型肝炎ウイルス（HAV）。
糞口感染で広がります（汚染された水・氷・生食・十分に加熱されていない食品など）。

感染経路
汚染された食べ物・飲み物の摂取、患者との密接接触（家庭内、性的接触など）。

日本国内の発生状況
流行は稀ですが散発的に発生し、2018年には増加が報告されました。

海外ハイリスク地域
衛生環境が十分でない地域（アジア・アフリカの一部、中南米、東欧など）。近年は渡航者関連のアウトブレイクが各地域で断続的に報告されています。

ハイリスク行動と良好様式
生水・氷・生野菜や生果物・生ガキ等の生食、屋台食を避ける。
せっけんと流水での手洗い、加熱調理を徹底。
MSM、薬物使用、ホームレス状態などは罹患リスクが高いとされます。

症状と治療

発熱、倦怠感、食欲低下、黄疸。多くは数週間〜数か月で自然軽快。特異的抗ウイルス薬はなく、支持療法が中心です。

予後

多くは回復しますが、高齢者・肝疾患のある人では重症化もあります。

ワクチン

予防効果は高く、2回接種（0・6か月）が基本。混合（A+B）ワクチンは3回（0・1・6か月）。効果は長期（10年以上〜それ以上）持続とされ、通常追加接種は不要です（特定の状況は医師判断）。

受診・接種スケジュールのご相談

• 渡航予定・滞在地域・活動内容（農村滞在、動物接触、医療行為の予定など）で必要ワクチンが変わります。
• 既往歴・接種歴の確認と、出発までの日数に応じた計画が重要です（例：A型肝炎は2回目を6か月後、JEは最終接種を出発1週間以上前に）。
• 慢性疾患、妊娠、免疫不全、服薬中の方は個別評価が必要です。