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倦怠感（からだのだるさ）
一般内科
概要
「倦怠感」とは、体が重くだるい、疲れがとれないといった自覚症状を指します。十分に休んでも改善しない場合は、単なる疲労ではなく、体や心の病気のサインであることがあります。
日本人を対象とした調査では、外来患者の約3割が倦怠感を訴えるとされており、非常にありふれた症状です。しかし原因は多岐にわたり、適切な診断と対処が必要です。
主な原因
身体的な原因
- 感染症：かぜ、インフルエンザ、COVID-19、EBウイルス感染症など
- 貧血：鉄欠乏性貧血や慢性疾患による貧血
- 内分泌疾患：甲状腺機能低下症、副腎不全、糖尿病
- 心臓・肺の病気：心不全、慢性閉塞性肺疾患（COPD）、睡眠時無呼吸症候群
- がん：初期症状が倦怠感のみということもある
精神的な原因
- うつ病や不安障害
- 過労やストレスによる「自律神経失調症」
ライフスタイルによる原因
- 睡眠不足や不眠症
- 栄養バランスの乱れ（特にタンパク質不足）
- 運動不足
診断
診断は問診と身体診察を基本に、必要に応じて検査を行います。
- 血液検査：貧血、炎症反応、甲状腺ホルモン、血糖など
- 心電図・胸部X線：心疾患・肺疾患の有無
- 睡眠検査：睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合
- 心理評価：うつ病やストレス関連障害の可能性
治療
倦怠感の治療は、原因に応じた対応が中心となります。
- 感染症：かぜなら安静と水分、インフルエンザなら抗ウイルス薬
- 貧血：鉄剤や原因疾患の治療
- 甲状腺疾患：ホルモン補充療法
- 睡眠時無呼吸症候群：CPAP治療や体重管理
- うつ病・不安障害：薬物療法とカウンセリング
また、共通する対策として以下が有効です。
- 十分な睡眠：規則正しい生活リズムを整える
- 食事改善：炭水化物を減らし、タンパク質を1日60g前後摂取（魚・肉・大豆・卵・乳製品）
- 運動：週150分の有酸素運動は、倦怠感軽減だけでなく、認知症・心血管病・がん予防効果も示されています。
予後
多くの倦怠感は一過性で、休養や生活改善で改善します。しかし、長期間続く場合は背景に病気が隠れていることもあります。特に貧血や甲状腺疾患、うつ病は適切に治療すれば改善が期待できます。
受診の目安
- 2週間以上、休養してもだるさが続く
- 発熱・体重減少・寝汗など全身症状を伴う
- 動悸や息切れ、むくみを伴う
- 強い気分の落ち込み、不眠を伴う
- 日常生活や仕事に支障をきたしている
まとめ
倦怠感はありふれた症状ですが、背景には感染症から内科疾患、心の病まで多くの原因が隠れています。特に「長引く倦怠感」や「生活に支障をきたすだるさ」は医療機関での評価が必要です。
「疲れているだけ」と放置せず、気になる場合はぜひご相談ください。
