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クラミジア感染症
感染症内科
概要
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチス（Chlamydia trachomatis） という細菌によって起こる性感染症です。日本では最も多い性感染症のひとつで、特に10代後半〜20代の若い女性に多くみられます 。
女性では自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、不妊や子宮外妊娠の原因となるため、早期発見と治療が大切です。
感染経路
- 性行為（膣性交、肛門性交、口腔性交）
- 母子感染（出産時に産道を通じて赤ちゃんに感染 → 新生児結膜炎や肺炎の原因に）
＜予防とコンドームの効果＞
- クラミジアは粘膜の接触で感染するため、コンドームの使用で高い予防効果があります。
ただしオーラルセックスや性器以外の部位（咽頭・直腸）からも感染することがあるため、完全に防ぐことは難しい場合もあります。 - コンドームは「最も有効な予防策」ですが、定期的な検査と組み合わせることが大切です。
症状
＜女性＞
- おりものの増加
- 不正出血
- 下腹部痛
- 無症状が7割以上で、気づかないことが多い
＜男性＞
- 排尿時の痛み
- 透明〜白色の分泌物
- 睾丸の腫れや痛みを伴うこともある
検査・診断
- 尿検査：男性は主に尿で診断
- 膣分泌物・頸管分泌物のPCR検査：女性で有効
- 咽頭・直腸の検査：オーラルセックスやアナルセックスによる感染もあるため必要に応じて実施
治療
抗菌薬の内服
- アジスロマイシン（単回内服）
- ドキシサイクリン（1〜2週間の内服）
治療効果は高く、適切に服用すれば完治します。ただし パートナーも同時に検査・治療を受ける ことが重要です。片方だけ治療すると「ピンポン感染（再感染）」が起こります。
予後
- 適切に治療すれば完治する
- 放置すると、女性では骨盤内炎症性疾患（PID）を起こし、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まる
- 男性では精巣上体炎を起こすことがある
受診の目安
- 性行為後に排尿時の違和感や分泌物がある
- おりものの増加、不正出血、下腹部痛が続く
- パートナーがクラミジアと診断された
- 無症状でも感染が心配なとき（定期検査が推奨されます）
まとめ
クラミジア感染症は「もっともありふれた性感染症」であり、若い世代を中心に広がっています。自覚症状が乏しいため放置されやすく、不妊など将来の大きな健康リスクにつながる可能性があります。
コンドームで感染リスクを大きく減らすことができますが、完全ではありません。性感染症が心配な方は、早めの検査と治療が何より大切です。
