多汗症の症状

多汗症とは、手のひら、わきの下、足の裏など体の一部だけに汗が増える、または全身に多量の汗が出る疾患のことです。単なる「汗っかき体質」とは異なる病的な発汗であり、多くの場合は小児期に発症し、成人になっても症状が続きます。また、緊張したときや気温・体温の変化がきっかけになって体の左右に同時に大量に発汗する、という特徴があります。発汗しやすいのは手のひら、顔、わきの下、足の裏などです。多汗症は症状があっても単なる「汗っかき体質」ととらえられることも多く、治し方もわからず、医療機関を受診せずにそのままにしている方が数多くいるのが現状です。
人間は、常に体温を一定に保つ恒温動物です。気温の上昇や運動時、食後など体温が上昇するタイミングで、皮膚表面にある汗腺から汗が分泌され、蒸発する際に気化熱を奪って体温を下げます。多汗症の方は汗腺の機能が過剰になっているといわれています。
多汗症の具体的な症状としては、勉強している時に手の汗で紙がぬれる、書いた字がにじむ、手をつないだり握手をすることをためらう、おでこから大量に流れ落ちる汗が目に入る、洋服の汗じみが気になる、フローリングをはだしであるくと滑りやすい、などがあります。また、発汗量の多さから、毛穴が詰まって皮膚トラブルを起こしたり、においを発したりすることもあります。